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登場

松居「ラジオは出るとかって」

金子「ほんと何回かですね、今回で二回とかそのくらいですね」

松居「金子大地という役者は…これからの日本映画を支える俳優と言っても過言ではない」

金子「いやいやいや…」

松居「映画好きな人は絶対見てるし、テレビにもね、今いっぱい出てるから」「バイプレのときは本人役だったし1シーン2シーンくらい映画版で撮っただけなんだけど、なんか、すごい、こう…」

金子「なんかこう…目あった時点で、あれ、なんかあるんじゃない?という感覚があった」

松居「他の監督の金子くんの出演してる映画を観てて、面白いなじゃないけど。本人の感じと出てる作品の雰囲気が全然違うじゃない」

金子「ほんとですか?うれしいですね」

松居「それがすごく面白かったし、この人といつか何かやるんだろうなってなんとなく思っていたんですよ」

金子「僕目が合ったときに、あ、絶対この人となんか合うんじゃないかなって。これ男子特有の感覚なんですかね?絶対仲良くなれる雰囲気って目が合ったらわかる感じありません?あ、なんかすいませんなんか…」(急に冷静になる)

松居「(笑)共通の知り合いで板橋駿谷っていうボスゴリラみたいなやつががいるんだけど。あいつもいいやつだしね。あいつとかと一緒に銭湯行ったりとかして」

金子「サウナ好きだからみんなで行こうっていう話になって、先に板橋さんと松居さんがいて。僕仕事かなんかで遅れて行ったんですよね。そしたら全然サウナなくて、ぽつんと二人でお風呂入ってたからなんだこれ?と思って」

松居「ボスゴリラと俺と」

金子「特に会話するわけでもなくぽちゃーんと座ってて」

松居「交互浴しかないと思って。蒸し風呂とお風呂交互に入って(笑)あると思ったらなかったんだよね」

金子「いや~、おもろかったなぁ」

松居「今度サウナ行きましょう」

 

大河の話

松居「今むちゃくちゃ頼家可哀想で、追い出されたとこなんですよ、時間軸としては。可哀想じゃない?ずっと可哀想だよね?」

金子「いやめちゃくちゃ可哀想ですよね。ずっと可哀そう。嬉しいですそういう風に言ってもらって。見る人によっては、何だこいつ?みたいな」

松居「あーそうか、メインの人たちのね(から見たらね)。大河ドラマの現場ってすごい人達がいっぱいいるじゃない。どういう雰囲気の現場?」

金子「いや~もう、僕なんてもうほんとガチガチで。ほんと全然だめだめでしたね、リハーサルから本読みから全然できなくて。小栗さんが話しかけてくれて、多分僕ががちがちになってるところを見てそう思ったのか、すごい距離を詰めてくださったおかげで、ほんと途中からですよ、途中までふわふわ浮いているような感じで芝居してたので。もうダメダメでしたね」

松居「しかもさ、大河ってセットでカメラめちゃくちゃあって、どこから撮ってるのか分からないみたいなやつよね」

金子「そうですね」

松居「映画は一台のカメラで芝居してっていうのとはまた違うよね」

金子「そうですね、確かに。初めての感覚でしたね。だからってパッパパッパどんどん進んでいくから、毎回終わる度に今のでよかったかなー?あれでよかったかなー?って思いながらどんどん終わっていく」

松居「追い出された週のガっとするやつは上手くいってたよね」

金子「観てくれたんですか?ありがとうございます(笑)」

 


まほリノの話

松居「リノベも(大河と)同時期に撮ってたの?」

金子「いや、後半ちょっと重なった部分はあったんですけど、(大河)終わった後インみたいな感じだったんで」

松居「(まほリノは)わちゃわちゃしたコメディーと言うか、全然鎌倉殿と雰囲気違うからさ」

金子「そうですねー」

松居「それは楽しい?全然演技のスタイルが違うのは」

金子「うーん、でも変身願望みたいな、変わりたい願望はすごくありますね、昔から」

松居「自分から遠ければ遠いほどってこと?」

金子「遠いと難しいんですけど、どう自分に寄せていくか、みたいな。いろんな自分があるんだろうなっていうか」

松居「遠いとむずいけど燃える、みたいなこと?」

金子「いやでも遠いとできないから」

松居「できないから(笑)」

金子「できないから(笑)ほんと自分勝手にやってますけどね」

松居「ドラマもさ、ポップなのもあればシリアスなものもあって、映画もあって…ってなったときに金子くんの中では仕事の選び方っていう言い方が正しいのかは分からないけど…スタンツってどういうスタンツ?」

金子「ドラマも映画も舞台もほんと頑張っていきたいって思いますし、ちょっとした作り方とかみんなの熱量って作品によって違うときってあるじゃないですか、その中で面白いものがあるなって思ったときは(出たい)」「あとやっぱり使いたい!って思ってくださる人がいたら、それに応えたいって気持ちはちょっと強いですね」

 

俳優になったきっかけの話

松居「いつから役者になりたかったの?」

金子「高校卒業して、事務所に入りましたオーディションで」

松居「それはお芝居がしたくって?」

金子「そうですね、田舎者だったので。まず東京に行きたいっていう気持ちが強くて」

松居「それは大学とかじゃなくって?」

金子「そうですね。それで俳優に。映画とか観るのもすごく好きだったし、やりたいなと思って」

松居「大学入って東京でどうこうするとかじゃなくて、高校時代に映画が好きで、芝居がやりたいから東京に行こうと思ったの?」

金子「まず、大学行くって親に言ったときに、『大学なんて行かせられないから。行くんだったら自分で奨学金で行きなさい』って言われて(笑)でも大学行く理由が多分、遊びたいからなんだろうなっていうのが親にバレてたんですよね。本当にやりたいことなんて何もなかったのにとりあえず大学みたいな感じは僕の中にもあったから、それはバレてたので。『やりたいことが見つかるまではフリーターでも何でもいいから自分が本当にやりたいと思うものをやれ』って言われて、そこから」「でも本当勢いですね。オーディションがたまたま北海道で開催されてたから受けたみたいな感じで」

松居「あとは呼ばれたから行ったみたいな感じで」

金子「そうですそうです」

松居「じゃあ東京来てからだんだんこれでやっていくんだって腹くくった感じで」

金子「そうですそうです。東京来たての時は仮面ライダーやって、CMバンバンやって、朝ドラ決まって…みたいなのを描いてきてたから(笑)」

松居「高校で何を見てとか、誰の映画を観てとか、誰の芝居を観て憧れたとか?」

金子「なんだろう…親が観てた影響が大きいんですけど、『北の国から』とか、倉本さんの作品をすごいうちの親が観てて。その時の吉岡秀隆さんのお芝居だったり、そこはちょっと強かったかもしれないです。こんなに人を感動させられるって…でも作り物って思った瞬間の、あれってちょっとドキュメンタリーにも見えるような…」

松居「そうだね、成長していくからね」

金子「なのにこれは作り物って思ったときの、ドラマじゃないときの俳優の姿を見たときに、なんだこれは!かっこいい…!!みたいなそういう感覚があって。もう、田中邦衛さんなんて黒板五郎でしかないと思ってたんですよ、僕は。でもバラエティーかな?何かの映像を観たときにうわ~!と思って。全然違うかっこい~!みたいな。そういうのがありましたね」

松居「芝居か芝居じゃないか分からないくらいもう騙して…、それもかっこいいしね」

金子「かっこいいって」

 

手の話

松居「オファーが来たときと言うか、台本を読んだときってどういう印象だったんですか?」

金子「僕ほんとロマンポルノとか見たことがなくて」

松居「世代がね」

金子「はい。でも読んでみて、これってひとつの映画じゃんって思って。やっぱり松居さんが監督だから。ほんとそれですね。是非っていうか。僕松居さんの作品観てるし。ずっと周りからは『出てそうなのにね~』みたいなことは(笑)結構お仕事されてると思うんですけど、俺全然(呼ばれ)ないなーと思って(笑)まあバイプレイヤーズもまたちょっと違ったじゃないですか。」

松居「そうだね、(出演者が)多かったからね」

金子「(だから)やっと来た!うれしい!みたいな感じで。是非!って気持ちですね」

松居「どういうスタンツでお芝居するんだろうって結構ドキドキしちゃうんですよ。自分色に染めないほうがいいのではないかとか、金子大地という役者は勝手にどんどんどんどん作りこんでいくタイプなのか…?とか悩んでたんですけど。クランクイン前にリハーサル何日かしたときに、手の森って役ははクズにもできるし、真っ直な奴にもできるし、芝居の仕方で森のイメージ全然違ったから。それをどういう風に来るんだろうと思ったら、最初に読みながら『分からないですごめんなさい!』みたいな(笑)すごいその感じがね、俺も分かんないんだよ、って言って(笑)ちょっと話そうってなって、福永さんとかと一緒に。話せたのがすごいよかった」

金子「期間がね、スパンがすごいギュッとなってて」

松居「ロマンポルノだからね、8日間とかなんだよね、撮影期間が」

金子「だからもう自分で抱え込むのやめて、とりあえず時間ないから」

松居「悩んでる時間ないから話し合おうって」

金子「とりあえず話し合って。どんな風にやっていこうかみたいなことを。最初からもうわかんないです!って感じで行こうって。それが逆に僕自身もよかったなって、相談してよかったって」

松居「身も心も裸になって話したみたいな感じがある。現場でいちばん印象に残ったっていうか、覚えてるところあります?」

金子「え~…なんだろう。部屋の濃密な、ちょっとした会話。森とさわ子の。長いシーンだったかな。あれはやっぱり緊張しましたね」

松居「あ~緊張した?映画を試写で見た人がすごく二人の会話が自然だったとか。どうやって演出したしたんですか?って聞かれるんですけど。あれ割とそんなにしてなくて。金子くんと福永さんの多分お芝居でリアリティじゃないけど、ほんとにすぐ隣の部屋でやってる、行われているんじゃないかっていう会話はどうやって作っていったの?」

金子「っていうか、松居さんがそっと見守ってくれていたから、多分できたんですよね。あれ一個でも『いや、こここうやって』っていうのがあったら、長回しで撮っていくときにそれが絶対意識行って、濃密なシーンだからこそ固くなっちゃう気がしたから。だから…あえて何も言わなかったからできたんだなって思うから」

松居「でもさ、ラブシーンっていうかさ、絡みのとこってめちゃくちゃ段取りあるじゃない。あれは大丈夫だった?逆にあれはもう動きがもうほぼダンスみたいに決まってたじゃない」

金子「あれはね…リハーサルしといてよかったかもしれない」

松居「そうだねそうだね(笑)体で覚えておかないとね(笑)俺が覚えてるっていうか印象に残っているのはね、ネタバレにならない程度に話すと、ふたりとも裸でいて、奥側向いてて。福永さんがゴミをぽいって捨てるという、台本ではこれで終わりなんだけど。その後に森のところにもちょっと捨てるゴミがあって。福永さんが奥にいて、手前側のごみ箱に向けてぽいって投げて。そしたらポンって外れて。そしたら自然にぱって立ち上がって、ゴミ拾いに行こうとするから(笑)全裸だから金子くん(笑)あれって無意識、裸であるってこと忘れてたのかな(笑)」

金子「う~ん(笑)」

松居「入らなかったと思ってバっと立ち上がって。カメラに向かって。まあ前張りした状態で歩いてきて、アって(笑)前張りを隠した瞬間めちゃくちゃ印象的で(笑)絶対使えないわと思って(笑)」

金子「何とか使うって言ってましたけど(笑)あれはおもろかったっすねー。楽しかったtっすね。あとはベランダのシーンも俺は結構」

松居「そうね、チラシのビジュアルにもなってるあそこの」

金子「僕撮影実質4日間で撮ったってなったんですけど、でも全然4日な感じしないんですよね」

松居「リハーサルもあったし、めちゃくちゃ濃かったですよね」

金子「濃かった」

松居「最後なんて朝までだから」

金子「しんどかったですもんね、体力的にも」

松居「途中、10年映画監督やってどんどん規模小さくなってるんじゃないかって思って、やってどう頑張ればいいんだとか思ったりしたけど、取り終わったときにはやってよかったって。ロマンポルノっていう、結構制約が多かったりするけども、でもだから作れるものがある気がして。だから観てほしいなと思います」

金子「ほんとに」

 

R18談議

松居「これR18作品なんですけど、どうやったら多くの人に届けられますか?」

金子「(食い気味に)これR18ってやっぱ書かなきゃいけないんですか?」

松居「おっどうしたの(笑)尖ってんな」

金子「R18じゃなくても大丈夫なんじゃなのいかって思うんですけどね。R18が良くないんじゃないですかやっぱり」

松居「それちょっと映倫に言って(笑)」

金子「R18ってちょっとこう、『あ、はーい』みたいな風になるから」

松居「でもなんか逆にさ、バトルロワイアルみたいなR15って言われるから見てみたくなるみたいな」

金子「『R18(弱)』とかにすればいいんじゃないですか。そしたらちょっと『あって”弱”なんだ』みたいに」

松居「なるほどね」

金子「『弱』『中』『強』みたいにして。そういう風にやれば『R18だけど”弱”か』みたいな。そういう感じにしてほしいな」(真剣)「(R18表記)あんまよくない気がするな」

松居「R18のハードルでね。『弱』ってつけるのはこっちの自由だもんね(笑)」

金子「そうですね(迫真)」

ふたり「(笑)」

金子「何の話をしてるんだって感じで(笑)でもどうやったら多くの人に観てもらえるんでしょうね」

松居「わかんないの」

金子「なんとしてでもバズらせたいんですけどね、こっちとしては」

松居「そうなのよ。どうしたらいい?」

金子「うーーーーーんやっぱりほんと身内?全員Filmarks評価5にして」

松居「ダッセエ!!!!ダセェ!!(笑)」

金子「先入観で見せさせる作戦というか??」

松居「とりあえず今聞いた人みんなチェック5にしてって言って(笑)めちゃくちゃダセェ!」

金子「『とりあえずチェック5にしといて!』ってつって(笑)」

松居「めちゃくちゃダセェ!!(笑)」

 

松居「金子くんからこれから見たくなる一言だけもらってもいいですか。『手』について」

金子「いやまずね、まず、映画ファンの人たちは多分みんな楽しみにする部分だと思うんですけど、あの松居さんがロマンポルノ撮るっていうのは僕すごい気になるんですよ。やっぱり松居さんって…」

松居「青春とかね」

金子「男子?を切り取るのがプロフェッショナルというか。青春というか。さわ子という女性をどう切り取るのかっていう所がすごい楽しみでクランクインしたんですよ。割とさわ子の主観で動いていくというか。女性をどういう風に切り取るかみたいな。それをほんっとに上手く、あんま言うのやめよ。素晴らしくて。だからこれだけ言ってももうすごい伝わったと思うんですけど。まずそれだけで観たくなるでしょって思うし。みなさんの中にロマンポルノってどういうイメージがあるのか分からないけど、山﨑ナオコーラさんの『手』という小説が映画になっているから、なんていうんだろうな、本当に一つの、映画?」

松居「ナオコーラさんで言えば『人のセックスを笑うな』しか映画化されてないから」

金子「だからそこも含め。面白ポイントと言うか。観たくなるポイントはあるんじゃないかなって」

松居「あと金子くんがめちゃくちゃいい」

金子「(被せて)そう。金子くんが出てるっていう」

ふたり「(笑)」

松居「そう金子くんが出てるし(笑)」

金子「あと松居さんと…」

松居「悩みながらできてるっていう」

 

選曲の話

松居「なぜこの曲にしたんでしょう?」

金子「ラジオで自分の曲を選曲するっていうのはすごく僕楽しみだったんですよ。だからここはちょっと一本王道というか。『あ~やっぱ良いよね!』って。誰にも有無を言わせない?何も文句を言わせない?」(迫真)

松居「(笑)じゃあ勝ちに来たのね?この選曲は」

金子「勝ちに来た~…」

松居「守りに…?」

金子「守りじゃない!!!守りじゃない!!!!(デカ声)」

松居「この選曲は”守りじゃない”?(笑)」

金子「守りじゃない!!だってこれイ~⤴もん。だって俺ラジオでこの曲流れてたら、俺ほんと、いい~~やっぱいい!!!何百回何十回聴いてる」(興奮)

松居「深夜二時ごろにね?(笑)」

金子「深夜二時ごろに聴いてるけど!!!(デカ声)やっぱいいわあって深夜にこれ流れてたらいいわあ!!!ってやっぱ思ってもらいたいんで」

松居「わかりました(笑)」

金子「くるりで『東京』……」